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午前は授業,午後は実験.玲音ちゃんがかわいい.そのあと代トポセミナー.いわゆるdiagram chaseをきちんとやった経験が乏しい.

 

代トポをやる時の直接計算は大抵とてつもなくつらい,という話が出ているが,そのあたりの直接計算を死ぬほどやっている本を並行して読み進めている.

各種の古典群について,その胞体分割を極めて初等的な方法で与えている.「計算すればこうなるでしょ!」という筆者の意気込みを感じるが,どこからこんな発想が湧いてきたのか全くわからないという印象ばかりが深まる.

他の本に同じような扱いがあるのかしらないが,この本では射影空間を行列表示に持ち込んでいる.具体的には,

 KP(n-1) := \{ \, X \in M_n(K) \mid X^* = X, X^2 = X, {\rm tr}\, X = 1\, \}

が普通の射影空間 KP^{n-1}と同相になる*1という事実を用いて, KP(n-1)の胞体分割を与えることで普通の射影空間も分割したことにしている.恐ろしい方法だと思うが,初等的で個人的にはわかりやすい.

 

かたや読んでいるのはこれである.

http://www.math.uchicago.edu/~may/CONCISE/ConciseRevised.pdf

これをセミナーで用いようと思った他の2人は正気ではないと思うが*2,私が参加してからも,個人的には気が触れているとしか思えないペースで読み進めている.(co)fibrationというものが世の中には存在するのだ,ということくらいしかよくわかっていない.前掲したような具体例から外堀を埋めていって,いつかある程度の納得が得られることを願っている.

 

ところで有限生成アーベル群の基本定理についてはまだ読んでいる最中である. MがPID上有限生成なら,全射準同型 \phi : R^m \to Mがある. N := {\rm Ker}\, \phiも有限生成なので,全射準同型 f : R^n \to Nがある.更に {\rm Coker}\, f \simeq Mである.そして fの行列表示が単因子標準形を有する事がかなり議論するとわかり,それによって定理の主張が従う,という流れである.

 

齋藤正彦本にも単因子標準形の議論がある.比べながら読んでいるが,PID上で成り立つ議論を,正彦本ではユークリッド環の性質に頼って示していたり*3と色々面白い.環論の基礎知識はごっそりなくなっているが,この定理について勉強する過程で色々と復習することにしたい.

*1:証明もそんなに難しくない. KP^{n-1}は明らかにcompact空間で, KP(n-1)はhausdorff空間だから連続全単射が作れれば話が終わる.しかもその連続全単射は気合で作り出す.詳しいことは本を読んで欲しい.

*2:言うまでもなく褒め言葉である

*3: K[X]はユークリッド環である.